「 こつそしょうしょう 」 この言いにくい病気の名前を聞いたことがある方も多いと思います。

一般的には
『 骨が弱くなる病気 』
『 骨が折れやすくなる病気 』
として知られています。

しかし、日常生活に支障がない場合も多いので、検査をしてみると思っていたより結果が悪く、
「 まさか自分が? 」 なんて方も多くいらっしゃいます。



< イメージとしては・・・ > 



けれど、せっかく骨粗鬆症がわかっても 
「 骨が弱いだけだから・・・ 」
「 特に困ることもないし・・・ 」 

そんな風に考える方も多いのです。

この考えこそ、この病気の恐ろしいところです!!

特に65歳以上の女性に多い骨粗鬆症ですが、この病気で骨折する人の割合は男性で5人に1人、女性は3人に1人といわれています。
要介護になる原因の中で、「 骨折・転倒 」は認知症 ・ 脳卒中 ・ 老衰に次いで第4位です。

そして、寝たきりの原因になりやすいのが 「大腿骨(足のつけ根)の骨折 」です。
日本では3分に1件発生しており、骨折して1年後の死亡率は約10%、80歳以上では約20%、90歳以上では約30%というデータもあります。
また、骨粗鬆症は『 いつの間にか骨折 』として知られるようになった 「 背骨の骨折 」 の原因でもあり、1度骨折すると1年以内に5人に1人が再び骨折を起こすといわれています。


寝たきりにならなくても、大腿骨や背骨の骨折のため、「痛くて動きにくい、思うように体を動かせない」 このようなカラダになってしまい、日々の生活がつらいものになってしまいます。
そうなると、軽く考えられない病気だと思いませんか?



骨粗鬆症の検査ってどんなことをするの?

よく行われる検査として『 骨密度測定 』があります。
一度は経験のある方も多いのではないでしょうか?
方法は、手首や踵などで計測するものや、腰や足のつけ根で計測するものがあります。
骨折が起こると寝たきりになる可能性が高い腰と足のつけ根の骨で計測する方が、より有用だと言われています。
当院でもこの方法で検査を行っています。

検査は10分程度ベットに仰向けで寝ているだけです。もちろん痛みはありません。
結果は、検査後に医師より説明させて頂きます。
ここで注意が必要なのが 『 年相応と言われたから大丈夫! 』 という思い込み。

年相応 = 大丈夫は間違いです!!

確かに20歳の年相応は大丈夫です。
しかし、70~80代の約半数が骨折を経験している今の日本で70~80代の年相応となると、50%は骨折するといわれているようなものなのです。
これは本当に大丈夫でしょうか?

そこで、骨密度の検査結果は若く健康な人の骨と比較して結果を出します。
一般的には、この値が70%を下回れば治療を開始する目安です。

※ 骨折歴がある方や長期にステロイド治療を行われている方、糖尿病・慢性腎臓疾患の方の場合は80%でも治療を開始した方が良いとも言われています。詳しくはご相談ください。


そして、骨粗鬆症の場合、骨の新陳代謝( 古い骨を壊し、新しい骨を作る働き )のバランスが崩れています。
まずは、そのバランスの崩れを血液検査で確認します。その結果を元に薬を選択していきます。



骨粗鬆症の治療にはどんな方法があるの?

まずは、バランスのよい食事と運動 が重要です。
そして多くの場合、薬による治療が必要になります。近年、治療方法が進歩し、数多くの薬が存在します。

大まかに分けると 『 骨の材料を補給する薬 』『 骨の新陳代謝を調整する薬 』 になります。
『 骨の材料を補給する薬 』 としては、カルシウム剤やビタミンD製剤があります。
『 骨の新陳代謝を調整する薬 』 は、とても種類が多いので、さらに以下のように分類できます。

薬の投与の方法

  • 飲み薬
  • 静脈注射 (血管に打つ注射)
  • 皮下注射 (お腹などに打つ注射)

薬の作用のしかた

  • 骨が溶けないようにする薬
  • 骨を強くする薬
  • 両方の作用を持った薬

また、薬を使う頻度も様々です。
こんなに種類があると、どれを選んでいいのかわかりませんよね・・・
そこで、骨粗鬆症の重症度やご本人の希望などを考慮し、薬を選択していきます。 骨粗鬆症の治療期間は長いので、自分に合ったものを選ぶ必要があります。


一緒に適切な治療法を決めていきましょう! 
そして、いつまでも骨折せずに寝たきりにならずに元気に動ける体を作りましょう


★骨が溶けないようにする薬

飲み薬
【1日1回】 【週に1回】 【月に1回】 と色々なペースで飲む薬があります。
目が覚めて直ぐに飲むだけなので、気軽に始めることができます。
ただ、完全に空腹の状態で水か白湯で服用し、服用後30分~1時間は飲食せず横にもならずに過ごす必要があります。
食べ物や他の薬と一緒に飲むと効果が減ってしまうので注意が必要です。

静脈注射
【月に1回】 病院で看護師に血管に注射をしてもらいます。
飲み薬のような食べ物による影響はないため、食事時間の制限はありません。
薬が直接血液に入るので、効果が出やすいと言われています。

皮下注射
【6カ月に1回】 病院で看護師に注射をしてもらいます。
注射の頻度は6ヶ月に1回と少ないのが魅力ですが、副作用予防のためにカルシウム剤やビタミンDの内服を続けることが薦められています。


★骨を強力にする薬

皮下注射
【1日1回の注射】  【週に2回の注射】
自宅で自分で注射をするものです。治療期間は最長で24カ月(2年)です。
インスリンの注射と同様に、針が細く痛みも少ないです。
食事や時間の制限はありません。

【週に1回の場合】
毎週病院に通って、看護師に注射をしてもらいます。
治療期間は最長で24カ月(2年)です。
自分で注射するのが怖かったり不安な方には良いかもしれません。


★骨を強力にする効果 と 骨が溶けないようにする効果 の両方をもつ薬

皮下注射
【1日1回の注射】  【週に2回の注射】
【月に1回】 病院で看護師に注射をしてもらいます。治療期間は12ヶ月(1年)です。
一番効果が期待される薬です。一緒にカルシウム剤やビタミンDの内服をお勧めします。



骨粗鬆症が気になったら、まずは骨密度の検査から!

ご希望の方はお気軽にスタッフまでお声かけ下さい。

雲南うめき整形外科